シミュレーション・アプレットいろいろ

自作,他作によるシミュレーション・アプレット集.当然ながら「重め」のアプレットばかりです.特に, マークのついたアプレットはかなり負荷がかかります.実行する際にはブラウザやパソコン等のハングアップやフリーズが発生する可能性がありますので注意ください.なお,PDF形式の資料を見るにははAdobe社のAcrobatReaderが必要です.

各アプレットのソースファイルを希望の方は連絡ください.( "ktsuboi#mx.ibaraki.ac.jp".なお,「#」を「@」に変更ください.)


2次元渦の相互作用

Javaの練習用に作成したアプレット.GUIによって初期条件の設定や計算スキームの選択が行えます.また,渦糸の強さの符号を反転することで時間反転の計算も行えます.その昔,修士の頃の研究テーマをアプレットにしたものです.当時は FACOM M-380 という汎用コンピュータで計算し,その結果を8インチFD(まだこの世に存在しているのでしょうか?)でPC9801にもってきて「N88-Basic」でグラフィック処理していました.その頃,渦の融合過程で時間反転が起きたときにもとに戻るかどうか疑問に思っていたのですが,十数年後にこのアプレットでとりあえず結果を見ることができました.なお,このアプレットはJDK1.0.2を用いて作成しています.

参考文献
K. Tsuboi and Y. Oshima: "Merging of Two Dimensional Vortices by the Discrete Vortex Method", J. Phys. Soc. of Japan, Vol. 54, No. 6, pp. 2137-2145, (1985).

アプレット実行
ダウンロード(不可)


van der Pol 方程式の相空間での軌道

van der Pol 方程式を力学系の例として,相空間内での軌道群をアニメーションで見ることができるアプレット.摩擦のある場合に,軌道群がリミットサイクルに引き込まれていく様子を見ることができる.また,摩擦係数の値を変えることで,リミットサイクルの形が変わる様子も確認できる.なお,このアプレットはJDK1.0..2で作成したものです.
簡単な解説
アプレット実行
ダウンロード(不可)


領域オブジェクトによる流体計算

流体計算に代表される偏微分方程式の計算手法のひとつである領域分割法に着目して,分割した各部分領域をオブジェクト化することで計算領域全体の構成を容易に行うことができる.オブジェクト化された部分領域を「領域オブジェクト」と呼んでいるが,それを用いた流体計算の例.詳細は以下の文献を参照ください.

参考文献
籠島,坪井:領域分割法のオブジェクト化とJavaによる実装,日本流体力学会年会2000講演論文集 E231 (2000)
籠島,金田,坪井:領域オブジェクトを用いた非圧縮性流れの計算, 第14回数値流体力学シンポジウム講演論文集 C04-2 (2000)

(1)2次元チャネル内流れ(平成11年度卒業研究より,作成 籠島高君)

「アプレット実行」をクリックすると上記資料にあるFig.3(d)の計算が実行される.この例では,10個の領域オブジェクトを用いて2次元流路が構成されている.左下から流入した流体が右上から流出する様子が再現される.

資料(PDF 35KB)
アプレット実行
ダウンロード(不可)

(2)軸対称シンクソース流れ(平成12年度卒業研究より,作成 金田豊君)

領域オブジェクトによる軸対称回転流の計算例.回転の影響により壁面付近に強い速度勾配が形成されるため,この付近には格子間隔の小さい領域オブジェクトを配置することで解像度を上げることができる.

資料(PDF 53KB)
アプレット(不可)

軸対称シンクソース流れの計算例.


オブジェクト指向モデルによるサッカー競技シミュレーション

(1) 3対3 (平成12年度卒業研究より,作成 阿部光男君)

サッカー選手やボール,グラウンドをそれぞれオブジェクトとして定義し,Javaのマルチスレッド機能によってサッカー競技の自律性と分散性を表現しています.特に,サッカーで基本となる味方選手3人による3角形の形成が可能となるような設計が行われています.3人による2チーム間でボールを奪い合い,奪ったボールを3角形を維持しながらキープする様子が再現できます.

【注意】「アプレット実行」にはブラウザとしてIE(インターネットエクスプローラ)を使用してください.Netscape Communicatorではアプレットが表示されないようです.

資料(PDF 34KB)
アプレット実行
ダウンロード(不可)

(2) 11対11 (平成13年度卒業研究より,作成 増田智和君)

チーム内での戦術を考慮したシミュレーションを可能にしています.サッカー選手という基本クラスを継承することでFW,MF,DFなどポジションによる特徴的な動きが細かく規定されています.このシミュレーションではチーム戦術としてフォーメーション(3−5−2と4−4−2),ゾーンディフェンス,ラインディフェンスなどを選択することができます.また,各選手の能力値も設定できます.ゴールとオフサイド時には自動的にリスタートされます.個人的にはディフェンスラインと相手FWの動きが秀逸だと思うのですがいかがでしょう.

参考文献
坪井,増田:オブジェクト指向モデルによるサッカー競技シミュレーション,第21回シミュレーション・テクノロジー・カンファレンス発表論文集,pp.165-168 (2002)

【注意】このアプレットを実行するにはappletviewerが必要になります.Appletviewerが使える場合には,下記「ダウンロード」から必要となるファイル一式をダウンロードしてください.ダウンロードしたファイルは自己解凍ファイル(soccer11.EXE)になっていますので,ダブルクリックすれば「11vs11」というフォルダが作成されます.その他の詳細についてはフォルダ内にある「readme」をみてください.

資料(PDF 79KB)
スライド資料*(PDF 290KB)
ダウンロード(141KB)

* 日本シミュレーション学会 第21回シミュレーション・テクノロジー・カンファレンス(2002年6月19,20日)で使用したスライド(PowerPoint)の配布資料.


流体モデルによる交通流シミュレーション

道路上を移動する車を平均化することで車の流れを偏微分方程式で表現することができます.この研究では,車の流れが流体力学で現れる方程式と類似の方程式で表わされることに注目して,交通流シミュレーションに領域分割とそのオブジェクト化の手法を適用しています.これによって複雑な道路交通網を効率的に再現することが可能になります.

(1) ボトルネックのシミュレーション(平成15年度修士論文より,作成 鈴木尊人君)

補正率を使って道路の可能交通量を変化させることでボトルネックを表現します.交通方程式としては最も簡単な連続の式とDrakeによる速度密度関数を改良した関数を用いています.

資料(PDF 145KB)
ダウンロード(不可)

参考文献

鈴木,坪井:流体モデルによる交通流シミュレーションへの領域オブジェクトの応用,第22回日本シミュレーション学会大会発表論文集,pp.33-36 (2003)


変化球の軌道シミュレーション(平成16年度卒業論文より,作成 関口直人君)

野球の投手が投げる変化球をコンピュータ・シミュレーションで再現しています.実は野球のボールに働く空気力はまだよくわかっていません.ここでは,既存の実験データとコンピュータ・シミュレーションによる計算結果から回転球(ストレートやカーブなど)と非回転球(ナックルやフォークボールなど)に働く空気力を近似し,それを用いて変化球の軌道予測を行っています.
 

資料(PDF 87KB)
ダウンロード(不可)